2010年2月21日日曜日

タイにアジ

2010年2月20日(土) 小潮

関義丸 午前8号船
走水沖~横須賀沖 70m~30m
晴れ 風4m北東 波0.5m

マアジ 14本 17cm~27cm
メバル 1本 20cm

タイ駐在の上さんの友達が娘連れて一時帰国。中学入学試験に見事合格。寝場所を提供したこちらもほっとする。「めでタイからタイを喰わせて、タイに土産を持たよう」と、このところ大物がポツポツあがるタイ釣行をもくろむ。が、「日曜出国やからボウズやと困る。確実なアジにしとき。はよ帰って捌きや」と上さんはにべもない。

5号船が仕立てのため8号船は大混雑。船長の釣り座位置指示に従い移動を繰り返して左舷10名のトモ2番。日照・潮具合から右舷にしたかったがやむを得ない。サービス券が10枚溜まったので無料乗船できるが、空く平日に丸一日存分に楽しむべく温存。

走水沖70mで開始。しばらくアタリなし。ちょうど潮止まりなので流れ始めるまで我慢。予測通りポツポツ喰い始めて良型中アジを取り込む。が、さすが走水、まもなく垂直に対して60度以上開くライン角度の早潮に。おまけに船下へ潜る。オマツリ乱発。型がいいので粘っていたが、さすがに釣りにならないと判断したのだろう、後半、船長は港前30mで小アジを釣らせ、最後は横須賀沖50mに回って追釣させた。船中3-31。やはり潮下になる右舷が釣りやすかったようだ。棚どり、クッションの有無、針数の工夫はもちろん、横切る道糸をかわしたり、左右と投入・巻上げタイミングを計ったり、と苦労しながらなんとか14尾。

少々不完全燃焼気味なので好転しそうな午後船への延長も考えたが、前夜のクロベイ夜泣きによる寝不足と、接客優先・早期帰宅と魚捌き指示を思い出し撤収。メバル含めて15尾ならまったく苦労することもなく手早く捌けるようになった。小ぶりの9本をナメロウと骨センベイに、中アジ1本を開いた塩焼きで馳走する。「臭みがない!帰国後は釣行日には食べにくる」と客人好評。「これ食べたらスーパーでは買えんよ。残る4本は干物にしたから、(ストックの)イカいっしょにお土産にしな」と上さんも上機嫌。それでも好物のヒラメ・サワラ・イクラは持たせないらしい…。

BJSスルメ直結 135+B → 小アジのアタリがとりにくし
電動丸1000SP PE3号
天秤50cm、ビシ130号
クッション50cm → 小アジ時は外す
1.5号2m3本針、2号2m3本針 → オマツリ多発時は2本に間引き

2010年2月14日日曜日

バレンタインイカ

大潮

喜平治丸 3号船
洲崎沖~沖の瀬 160m~200m
北風 5m~3m 波1mうねり

ヤリイカ 7杯 胴長 17cm~23cm
スルメイカ 1杯 胴長 25cm

マルイカが始まった。好調だ。昨シーズンはさっぱりだったが、今季は期待できそう。2年ぶりに挑戦したい。当時は記録していなかったが記憶によるとアタリが分からず散々だった。が、スッテの準備不足。竿も折ってしまった(臨機応変か優柔不断か)ので考えねば。ただでさえおちょくられるマルイカ、折れた竿では自信がない。プラヅノが残ってもいるので、同じく繊細なヤリイカへ。2艘出しで3号船にキャンセルが出た直後らしくポッカリ空いた右舷ミヨシ2番。各船15名~17名が乗る。昨日が雪で寒く、今日は風が和らいだ晴れなので、皆どっと押しかけた様子。

洲崎沖。幸先良く一投目からヤリイカを釣り上げた。が、う~ん、渋い、な展開。小さなメスを単発でかろうじて引き上げるのがやっと。2回に1回は巻上げ中にバラす。うねりはあるものの波は大したことないのだが。ノリが浅い様子。サバも出てきて振り落とす。10時沖の瀬に移動。型が少し良くなる。がノリは相変わらず浅い。イカは単発でしか乗らないのだが、サバは5点掛け、…とほほほ。痩せて小さなゴマサバで持ち帰る気にもならない。この際、と直結に変更。サバはかいくぐるが、ノリがさらに悪い。ブランコで乗らないのだからさもありなん。ようやく掛けたら、隣のサバに巻き込まれオマツリバラシ、…涙。ブランコに戻して、なんとかスルメとヤリの2点掛け。盛り上がりのないまま、沖上がり。

2艘の高低で1-34。こんな渋い中でも上手い人は釣るもんだ。だがダントツで、2番手以下は10杯代、といつも下船時に釣果確認する若女将の説明。8杯はまぁまぁか。ラーメンをすすっていると、若女将が「お疲れ様でした、今日は…」とチョコを配る。そうか、バレンタインか。…バレンタイカ、…バレタイカ、…ばれたイカ。イカんな、チョコっとイカんともしがたい。と、釣果速報メールを書きかけ止めた、またバカにされるだけだ…

BJSヤリイカ乗り調子 165+B
電動丸1000SP PE3号
ヨリトリリング 中錘10号
ブランコ 14cm・11cmミックス 5号+3号 6本
直結 14cm・11cmミックス 6号~5号 7本
錘 120号

2010年2月13日土曜日

沖釣りを楽しむ -準備・出発編-

沖釣り(船釣り)が初めてならびに慣れない時には、釣り方にもまして家を出てから帰るまでのプロセスがわからなくて不安だった。釣り方の解説は書籍やWEBに数多いが、手続きや注意点に関しては、港や船宿によって異なることもあってかあまり見受けない。今でも初めての船宿では戸惑いや失敗もある。それらを踏まえて、おおよその流れと注意点を記しておこう、と思い立った。大きな流れは、準備・出発~受付・乗船~実釣~下船・帰宅だ。全てを楽しみたい。

<準備・出発編>

1)持ち物: 必ず前日に準備しよう
沖釣りは(午後船を除き)朝が早い。当日朝に慌てて準備すると大抵忘れ物をする。もたついて遅刻しては元も子もない。

竿・竿掛け・リール・仕掛け・錘やエサなど釣具を全部レンタルするとしても、最低限必要なものやあれば便利なものがある。

必需品
  • クーラーボックス 1つ: 容量や保冷性能に様々なものがあるが、中型があれば汎用性は高い。折りたたみ袋式は、保冷力不足・破損による漏水等の恐れからお勧めできない。
  • 長靴(冬場)またはカバー付きサンダル(夏場) 1足: 釣った魚を入れるタルに海水を流す仕組みを装備した船が多く、釣り座足元はいつも水浸し。運動靴はずぶぬれになる。革靴・ハイヒール等は論外。ビーチサンダル等足指が露出するサンダルは揺れにふらついた拍子に突起物等で怪我する恐れがあるので、クロックス等カバー付きがお勧め。
  • タオル 2枚: 海水用と淡水用。海水用は釣り座やクラーボックスの汚れ落としならびに魚掴みに。淡水用は実釣中の汗ふきや下船時の洗顔用に。
  • 飲み物 適量: 夏場は日射病・熱射病防止に必須、多めに。冬場は温かいものがお勧め。酒類を持ち込む人も多いが、船酔い・転倒・落水・飲酒運転等の恐れからお勧めできない。
  • 乗船料 5000円~12000円他: 港ならびに釣り物や時間によって金額が異なるので予めWEBで確認して、現金で準備。レンタル料や仕掛け購入費ならびに交通費を合わせて不足なく。クレジットカードを扱う船宿は少ない。WEBに割引券を準備している船宿は少なくない。500円とか1000円割引になるので印刷。
便利品
  • 小型ハサミ 1つ: オマツリを解こうとしても時間がかかってチャンスを逃したり、船酔いしたりする。スパッと切って仕掛け丸ごと交換するほうが無難。
  • 小型ナイフ 1つ: 釣った魚を〆たり、エラを切って血抜きするのに便利。
  • 竿尻ロープ 1本: 竿尻と船べりとを結んで竿の落下に備えるもの。レンタル竿を海に落とすと、賠償金を取られるのでぜひ備えたい。
  • 食べ物 適量: 日中船の昼食や釣れないときのおやつに。おにぎり・パン・スナック類が便利。冬場はカップ麺で温める人も(多くの船に電気ポットあり)。
  • レジ袋 1-2袋: ゴミ入れや持ち帰りの汚れ物入れとして重宝。
  • 偏光サングラス: 海面の反射光はまぶしく、竿先が見えない他、目に悪い。
飲み物と食べ物は船宿までの道中のコンビニ等で買うのが便利でレジ袋もついてくる。これらの品物を全部クーラーボックスに入れると持ち運びもコンパクトで楽。なお、氷は多くの船宿で出船前にもらうか購入するが、凍らせたペットボトルを持っていってもよい。

レンタルでない場合、クーラーボックスに特エサを加え、その他にリール・竿掛け・仕掛け・錘等を入れたタックルバッグ、ならびに竿を携行する。

2)睡眠: 前日の酒は控えて早く寝る
睡眠不足と深酒は船酔いの元。前日の宴会は二日酔いX船酔いのダブルパンチになるので最悪。寝る前に酔い止め薬を飲んでおくのがお勧め。

3)予習: 釣るも釣れぬもイメージトレーニング次第
は少々大げさだが、酒飲む暇があったら予習しておこう、の意。以下を予備知識として頭に入れておくだけで、釣果はずいぶん違うし、周囲を煩わせることが少なく皆ハッピー。
  • 港や船宿はどこか。釣り場はどこでそこまでの時間は。
  • 天気は。風は。波は。
  • 釣りものは。どんな竿・リールか。リールの使い方は。どんな仕掛けか。エサは。
  • 釣り方は。水深は。タナは。誘い方は。アワセ方は。巻き上げ方は。取り込み方は。
細かく調べだすと幅も深さもキリがないが、おおよそのことを知っておこう。

4)服装: 海上の暑さ・寒さは陸上の倍
足元の水対策や飲み物の必要性は携行品に記した。悩ましいのが服装だ。夏の暑さと冬の寒さへの対策に、時期を問わず水かぶり対策を加味する必要がある。一番良いのがマリンスーツ(防水コートと防水タロペットのセット)だが、それがないことを前提として。

暑さ対策(夏場)
  • 汚れても良い物が前提: 海水、イワシミンチやエビアミのコマセ、釣り魚を処理した内臓や血、つけエサのサバ・イカ・エビ、軟体系の墨噴射、などなど汚れの元には事欠かない船上なのだから。
  • Tシャツに短パンが快適: ただし紫外線に弱い人は予防クリームを。また、水かぶり対策に少なくとも短パンと下着は下船後の着替えを準備。どうせ濡れるので裾の長い海水パンツもお勧め。周囲が釣りに集中できなくなるので男女ともビキニはお勧めできない。
  • 帽子は必須: キャップでもハットでもタオルでもよい。日射・熱射病対策。
  • カッパ上下かポンチョ: 雨対策に準備。 
寒さ対策(冬場)
  • 汚れても良い物が前提: 前述と同じ。
  • 防水・防寒ジャンパーと同パンツは必須: とにかく寒いので。水を染み込ませると冷凍マグロになる。雨対策と風対策を兼ねてフード付きが良い。
  • 重ね着で風対策: 中は重ねるしかない。上は下着に毛糸シャツにトレーナーにウインドブレーカなど。ヒートテック下着やタートルネックシャツはお勧め。下はジャージに綿パンなど。靴下も重ねるか厚手のものを。これらの上に防水・防寒ジャンパー・パンツを重ねる。
  • 首から上も風対策: 耳まですっぽりかぶるタイプの毛糸帽子や首タオルは重宝する。
  • ホッカイロも有効: 貼り付けタイプを冷えやすい部位に、貼らないタイプをポケットに、等。
  • 軍手も有効: 釣りをしている間は邪魔だが、移動中着けていると指のかじかみを防止できる。
意外と見落としがちなのが、夏場の急な雨対策、冬場の風対策。陸上では考えられないぐらいに海上は厳しい状況になることも。ダサいと言ってられないので万全の対策を。春・秋はこれらの中間で調節する。

5)出発: 出船1時間前には到着しよう
準備が整った船に15分ぐらい前になってドタバタと乗り込む人を時々見かける。船宿も釣り人も何も言わないが、かなりのヒンシュクものだ。釣り人は釣り座を詰め合わせて移動し釣具一式をセットし直すことになり、船長・中乗りはタル、コマセやつけエサを追加準備することになるからだ。ましてやフルレンタルの場合、タックルまでドタバタと積み込むことになる。出船準備は意外と忙しい。慣れぬなら尚更なので、遅くとも出船の1時間前には受付を済ませよう。

以上に注意すれば快適な釣行に。はやる気持ちを抑えて、船宿に着いたらまず受付・出船だ。

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沖釣りを楽しむ -受付・乗船編-

沖釣り(船釣り)が初めてならびに慣れない時には、釣り方にもまして家を出てから帰るまでのプロセスがわからなくて不安だった。釣り方の解説は書籍やWEBに数多いが、手続きや注意点に関しては、港や船宿によって異なることもあってかあまり見受けない。今でも初めての船宿では戸惑いや失敗もある。それらを踏まえて、おおよその流れと注意点を記しておこう、と思い立った。大きな流れは、準備・出発~受付・乗船~実釣~下船・帰宅だ。全てを楽しみたい。

<受付・乗船編>

1)釣り座: まず席を取ろう
船宿に着いて駐車すると、まず釣り座を確保。予約時に釣り座を決める船宿もあるが少数派で、多くは先着順。確保方法は概ね二通り。
  • 釣り座にクーラーボックスを置く: 船に乗り込み好きな釣り座に。特に冬場、凍結等で転倒・落水しないよう注意。この危険を避けるため、乗船口の前にクーラーボックスを並べる決まりの船宿も。
  • 座席タグを取る: 船宿の内外の壁に掛けた船形で釣り座番号を示したボードから好きな釣り座タグを取る。座席表に名前を書き込む船宿も。
いずれの場合も、釣り人人数が確定した時点で各舷で均等間隔になるよう前後に移動するので、実際の釣り座は確保した番号と異なることが多い(四隅を除く)。大抵トモやミヨシから埋まっていくが、間を空けようと考えても無意味で、好みの釣り座に近い場所を間を空けずに確保したほうがよい。希望の釣り座を確保するのは、前泊しない限りかなり難しい。

2.乗船準備: 貴重品は忘れずに
釣り座を確保したら車に戻る。受付開始時間までたっぷり時間がある場合は車中で仮眠。あまり時間がないかすでに受付している場合は、急ぎ乗船準備を。具体的には、
  • マリンスーツや防水上下服の着用
  • 長靴やサンダルへの履き替え
  • (持っていれば)ライフジャケットの着用
  • 竿にリールの装着
  • (持っていれば)タックルバッグを含め、船への持ち込み品一式を降車
  • 酔い止めの服用: 前夜の服用に加えて、乗船1時間~30分前に服用すれば、船酔いすることはまずない。
程度のことだが、慣れないと意外に手間取る。このとき注意したいのが、財布や携帯電話等の貴重品。乗船してしまえば使うことが少ないので車中に置いておきたくなるが、車上荒らしのリスクがないわけではないので、身につけておいたほうがよい。残念なことに某有名港の大駐車場で連続車上荒らし事件もあった。

3.受付: 乗船表は必ず記入し、ライフジャケットは必ず着用
乗船準備が整えば受付を済ませる。具体的には
  • 乗船料の支払: 釣り座タグと割引券を渡して乗船料と駐車料ならびにレンタルタックル料を支払う。コマセやつけエサ代が乗船料に含まれていない場合、それも支払うので購入する量をあらかじめ決めておく。
  • 乗船表の記入: 住所・氏名等を記入。万一遭難時に連絡するためのものなので正確に。この表に基づき割引や粗品引換ハガキを送る船宿も多いので尚更。
  • 仕掛けの購入: 船上でも買えるが、あらかじめ準備していない場合はこの時購入しておく。市販品・自作品を持ち込む場合も、船宿推奨仕掛けは実績に裏付けられているので1組は購入がお勧め。
  • ライフジャケットの借受: 遊漁船乗船者はライフジャケット着用が法律で義務付けられているが、普及度は高くない。船宿はジャケットを常備しており無料で貸しだしてくれる。ジャケットありますかと多くは聞いてくれるが、そうでなくとも申し出て必ず着用しよう。
  • タックル・氷の受取: レンタルタックルや氷を受け取る。乗船してから渡す船宿もある。
で手続きは終わり。時間にして5分もかからないのだが、要領を知らないと船と受付所を行ったり来たりすることになりかねないので理解しておきたい。なお、乗船前の受付がなく、料金を下船時に支払う船宿も、千葉県に見られる。

さて、いよいよ乗船だが、特に夏場は飲み物が充分か再確認しておきたい。大抵自動販売機があるので補充するならこのタイミングが最後。

4.乗船: まず同乗者に挨拶し、釣り座のセッティング
釣り座に着いたらまず左右の同乗者に挨拶しておきたい。「おはようございます。慣れないので迷惑かけるかもしれませんがよろしくお願いします。」の一言を掛けるか掛けないかで、その後実釣中の快適さは大きく違ってくる。期待できる主な効果は、
  • 心理的転換: 多くの慣れた釣り人は慣れない人と隣り合うと、今日はツキがないなという第一感を抱く。オマツリによる時間ロスやタナ不一致による魚チラシ等マイナス面ばかりが予想されるからだ。挨拶されることで、程度は人にもよるが心理的には、嫌な人ではなさそうだ、迷惑な時にも話しやすくなった、困っていたら助けてあげよう、面倒見てあげよう、に転ずる。これが大きい。
  • オマツリのムードと解決: 混みあう船中ではオマツリは不可避。その時のムードが違ってくる。少なくとも険悪な雰囲気を回避できる。オマツリを大抵解いてくれる。
  • 釣り方の教授: 棚取りや誘い方などを教えてくれる。多くは気付いていても黙っているが、、わからないことを聞けば、大抵教えてくれる。中には聞かずとも教えるアドバイス好きな人も。
  • 仕掛けや特エサのもらい受け: 釣果があがらない場合に、見かねて釣れている仕掛けや特エサをくれることもありうる。
などがある。挨拶がないと、これらが期待できないばかりか、逆方向に作用して釣果とは無関係に不快な釣行に終わることもある。たまたま乗り合った人々ともお互いに気持ちいい一日にしたいものだ。挨拶が左右する。

乗船後何をして良いのかわからずぼんやりしがちだが、釣り座のセッティングを済ませたい。出港してしまうと航行中は波風で作業しずらく、釣り場に着けばすぐに実釣開始になるからだ。釣りものによってセッティング内容は千差万別だが、ここでは仕組みが複雑なコマセ釣りを例に基本事項を記しておく。
  • 借り物の釣り座配置: タル・ザル・貸しビシ・添え木等船で借りるものが前方に置いてあるので、釣り座に配置。釣り座付近のホースから流水していればタルに注水。
  • コマセや付けエサの受領: これも前方に置いてあるので、釣り座に配置。ただし、釣り座間隔を決めるために船長や中乗りが配置することも多く、その場合は指示に従うこと。冷凍のコマセや付けエサはザルに入れタルの海水に浸して解凍。
  • クーラーボックス、タックルバッグの配置: クーラーボックスは釣り座下の床に。釣り座は通路も兼ねているので人の移動の妨げにならないように。タックルバッグも同じ理由で座席に置かず、船室やデッキに置くほうが好ましいが、道具類の出し入れや貴重品もあるからか、釣り座上に配置していても不問なことが多い。
  • タックルや道具の配置: 道糸に天秤やビシ、クッションゴムを接続。ハリスは、航行中に風で手前マツリするので、釣り場到着まで付けないほうが無難。道糸の太さや錘の号数は釣り物によって標準が決められているので大きく逸脱しないように。船中で統一することでオマツリを避けるため。竿掛けは、釣り座間隔の確定を船長に確認してから取り付け。竿尻ロープを竿掛けか船のフックやホールに接続。出港までは竿掛けにかけずにタックルを立てておく、舫等に引っ掛けて破損を回避するため。ハサミや針はずし等の道具類を釣り座前の内棚に配置。
  • ゴミ入れの設置: レジ袋を竿掛けに縛ってゴミ入れにすると便利。使えなくなった仕掛けや飲み物・食べ物のゴミあるいはタバコなどを入れる。海にポイ捨ては厳禁。
他の釣り物では使わないものがあるので、これよりかなりシンプルになる。

これで準備は万全。船が岸から離れたとき、船側の緩衝材が近くにあれば船内に取り込もう。出港時はいつもわくわくする。いよいよ実釣だ。

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沖釣りを楽しむ -実釣編-

沖釣り(船釣り)が初めてならびに慣れない時には、釣り方にもまして家を出てから帰るまでのプロセスがわからなくて不安だった。釣り方の解説は書籍やWEBに数多いが、手続きや注意点に関しては、港や船宿によって異なることもあってかあまり見受けない。今でも初めての船宿では戸惑いや失敗もある。それらを踏まえて、おおよその流れと注意点を記しておこう、と思い立った。大きな流れは、準備・出発~受付・乗船~実釣~下船・帰宅だ。全てを楽しみたい。

<実釣編>

1)出港: タックル状態を確認し、キャビンで休息しよう
出港するとタックルや道具が落下・落水しないか確認しよう。沖に出れば出るほど波風が強くなることが多いので油断できない。

釣り場まで10分の釣り物もあれば、1時間以上かかるものもある。時間のかかる時、凪ならともかく、波やうねりがある日は、出港したらキャビンに入って休むのが良い。さもないと風の向きと強さによるが濡れ鼠になる。夏場ならともかく冬場は尚更だ。釣り場に着いたときに、指がかじかんでいるだけでもつらいが、全身冷凍マグロ状態では釣りどころではない。

2)実釣: 船長の指示・アドバイスに従う
五万とある釣り物のテクニックを論ずるつもりもそれだけの腕もない。ここでは、どんな釣りにもあてはまる基礎知識を記す。
  • 投入準備: 釣り場に近づいたら船は減速してポイントが定まるまで蛇行・旋回する。すぐに釣り場に戻り、ハリスを結び付けエサをつける。出港前後に船長が使用するハリスの太さや長さを説明した場合は、それに従う。釣れる確率があがる他、船中で統一することでオマツリや魚のチラシを避けるためだ。また、クーラーボックスに海水を魚が浸る程度入れて冷やしておく。
  • 開始: 開始の合図と同時に投入。潮回りや水温他の影響もあり一概には言えないが、朝一番でヒットする確率が高い(朝マズメ)からだ。
  • タナ位置: 魚のいるタナがアナウンスされた場合、その範囲にビシや付けエサを沈める。棚指示は海面からの場合や海底からの場合がある。リールのメータは誤差が時には数メータにもなるので、道糸のマークで合わせる。棚取りが正確にできないと釣れない。ズレているとオマツリを起こしたり、魚を散らしたりして、他の釣り人に迷惑をかける。
  • ドラグの設定: 魚が喰ってある程度引くとハリス切れを避けるためにリールを滑らせて道糸を出す機能。釣りものによってユルユルであったりキツキツであったりするので、予習を要す。魚とやり取りする腕にもよる。
  • 誘い: 釣り物・状況によっては置き竿でじっと待つほうが良い場合もある。が、基本的に魚は動くものに反応するので、やはり手持ちで誘いをかける人のほうが釣果はよい。
  • コマセの詰め替えと付けエサの交換: エサが外れたり、気付かぬ間にエサだけ取られていることが、意外に多くある。頻繁に詰め替え過ぎても、タナにエサがない時間が増える。釣り物やエサ取りの多少によるが、できるだけエサがタナにある時間が長くなるようなインターバルでコマセの詰め替えとエサの確認・付け替えをする。オーダとしては3~5分が目安で、結構頻繁に上げ下げすることになる。
  • アタリとアワセ: 竿先や手元にコツコツきたらアタリ。まだ針掛りしていないのでアワセる。そのタイミングが、釣り物によって即であったりじっくり待ってからであったりして難しく、予習が必要。
  • 巻上げと取り込み: あまりにガンガン巻くとハリス切れの恐れがあるが、巻上げはテンションを緩めないことがどんな釣りでも大事。緩めた瞬間に針が外れることが多いからだ。船上に取り込んで初めて釣果にカウントする。水面でテンションが緩んでバラシたり、抜き上げようとして船べりにぶつけてバラシたりも多い。海面まで巻き上げたら船長や隣の釣り人にタモ入れしてもらうのが無難。
  • 魚の処理: 無事取り込んだ魚で小さい物はリリースする。キープサイズはタルの海水に活かせておく。死ぬ前に〆たほうが良い。種類やサイズによって、血抜きしてからクーラーボックスに入れたり、活かせたままクーラーボックスに入れて氷〆にしたりする。慣れないうちは怪我しないように、氷〆がお勧め。
  • 喰いが立っているとき: 船中あちこちで釣れるような喰いが活発なチャンスタイムが一度はあるものだ。ある程度続くこともあるが数分で終わることも少なくない。この時のんびりしていたりモタモタしていたりしてはいけない。その時しかチャンスはないかもしれない。釣れたと長々喜んでいる場合でもない。手返しよくすぐに再投入して数を伸ばす。
  • 自分だけ釣れないとき: 周りが釣れているのに自分だけ釣れないこともよくある。タナか仕掛けかエサか誘いか、何らかの原因がある。闇雲に修正を図っても大抵迷路にハマりこむ。釣れている人のマネをするのが得策。それがだめなら、中乗り、船長にアドバイスを乞うのが賢明。
  • 喰いが渋いとき: 船中で誰にもばったり釣れない時間もある。引き出しがさほどあるわけでもないので、あがいても無駄。魚を〆て血抜きし、クーラーボックスに入れるのに好機。のんびりお茶やお菓子あるいは昼食を取りながら景色を楽しんだり、船中巡りをするのがお勧め。
  • 移動: 魚探反応が消えたときや、反応はあるが口を使わないときに、ポイントを移動すべく、仕掛けの回収を船長が指示する。すぐに巻き上げ、移動後の再投入に備えて準備する。
  • 船酔いしたとき: 我慢せずに吐くのが、早期回復への近道。トイレで吐くのがエチケットだが、そこまで行くのもつらければ身を乗り出して海面に。酔ってからでも効くので酔い止めを服用。具合が悪ければキャビンで横になり、静かに回復を待つ。
最後に、船では船長の指示は絶対だ。必ず従うこと。釣りに関するアドバイスも素直に聞いたほうが賢明だ。少し慣れてくると別の試みをしてみたくなるものだが、大抵実らない。なんせ船長は毎日やっているのだ。経験の幅と深さは、慣れとはケタが違う。成績がお客を呼ぶことになるので、なんとか釣らせようと懸命な船長が多い。釣れなくても沖上がりまであきらめずに。

3)沖上がり: 借り物は返し、テキパキ片づける
時間になると船長が終了を告げる。直ちに仕掛けを回収して後片付け。航行し出すまである程度待ってくれるので、テキパキと片づけたい。
  • コマセや付けエサの処分: 余ったコマセをそのままにするよう指示があった場合は、桶ごと取付金具とともに船内に入れる。特に指示がない場合、コマセを海に捨てて桶と取付金具を船内に入れ、汚れ落としのため流水を浸す。付けエサは捨てるか、再利用するならタッパ等に仕舞う。
  • タックルの分解: クッションゴム・天秤等を取り外し、ハサミ・針はずし等道具類とともにレジ袋かビニール袋に仕舞う。仕掛けは捨てるか、再利用するなら仕掛け巻き等に仕舞う。竿を立て掛け、竿掛けを外して仕舞う。ゴミ入れ用レジ袋は船内のゴミ箱に捨てる。
  • 借り物の返却: 残る魚をクーラーボックスに入れて空にしたタルを、添え木や貸しビシとともに借り物を元の位置に返す。
  • 清掃: 釣り座が元の状態になったら、船べりや内棚にさっと水をかけタオルで汚れを落とす。クーラーボックスやタックルボックスの汚れもタオルでさっと拭き取っておく。
船長や中乗りは帰港後すぐに清掃を始める。できるだけ手が掛からないように配慮すると上述のようなことになろう。片付け中に船は動き出すので船内移動はできるだけ控えよう。帰港まで時間がかかる時は、行きと同様に、片付けが終わり次第キャビンで休むのがよかろう。

下船・帰宅するまでまだ釣行の一部だ。

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沖釣りを楽しむ -下船・帰宅編-

沖釣り(船釣り)が初めてならびに慣れない時には、釣り方にもまして家を出てから帰るまでのプロセスがわからなくて不安だった。釣り方の解説は書籍やWEBに数多いが、手続きや注意点に関しては、港や船宿によって異なることもあってかあまり見受けない。今でも初めての船宿では戸惑いや失敗もある。それらを踏まえて、おおよその流れと注意点を記しておこう、と思い立った。大きな流れは、準備・出発~受付・乗船~実釣~下船・帰宅だ。全てを楽しみたい。

<下船・帰宅編>
1)帰港: 礼に始まり礼に終わろう
減速すると港は目の前だ。釣り座に戻って忘れ物がないか再確認。緩衝材を船の外に戻す。着岸したら下船時にぜひ、「お世話になりました。ありがとう。」の一言を左右の釣り人や船長・中乗りに。釣果の優劣にかかわらず、船上での時間を楽しんだことに違いはない。気持ちよく下船したいものだ。水道水があれば、ロッドとリールをさっと洗い流しておこう。塩分によるサビや固着の防止になる。タックルやクーラーボックスを車に積んだら、ジャンパーやタロペットを脱いで(あるいは着替えて)船宿に戻ろう。

2)船宿にて: 軽食やお茶を楽しむ
船宿によるが軽食やお茶を出してくれるところが少なくない。そば・うどんやラーメンであったり、味噌汁であったり、おにぎりやちょっとした弁当であったり、色々だ。夏場の火照った、あるいは冬場の凍えた体を回復してくれる。せんべい等のお菓子類が置かれている船宿も多い。いくつかいただいておこう。船では自分で思う以上に体力を消耗しているもので、帰りのドライブは眠い。特にロングドライブでは、お菓子類は眠気さましに重宝する。

3)帰宅: 道具ごと風呂に入ろう
朝早く起き、船に揺られ、魚に翻弄され、眠気をこらえて運転し、ようやく帰宅したころにはフラフラだ。つらいのが後片付け。すぐに横になりたくなるが、道具や衣服を洗っておかないことには、傷むし匂うことになる。帰宅したら、座ることなく一気に洗濯・掃除してしまうのが、お勧め。荷物一式を車から家に運んだら、以下の手順ですますと楽々。
  • 洗濯: ジャンパー・タロペット・タオル等汚れた衣類を洗濯機に。
  • 魚処理: クーラーボックスから魚をジップロックやラップしてとりあえず冷蔵庫に。慣れてくればこのとき鱗や内臓等の下処理もしてしまう。
  • 風呂: 空になったクーラーボックスと釣り道具一式とともに風呂へ。
のんびり風呂につかりながら、釣り道具一式を洗ってしまう。洗った道具はクーラーボックスにいれて自然乾燥。一晩おいて片付ければよい。風呂を上がるまでには洗濯も終わっているので干す。汚れとともに疲れもとれる。

準備から帰宅まで沖釣りの過程全てを楽しんでしまおう。他にも、船宿・釣行日の選定や魚捌きなど、楽しみは尽きない。計画編や調理編は、いずれまた。

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2010年2月8日月曜日

サワラ獲ったどー

2010年2月7日(日) 小潮

三浦丸 21号船
屏風ヶ浦沖 水深20~30m
西 強風 波2mのち1m

ヒラメ 2枚 35cm~45cm
サワラ 4本 50cm~60cm

サワラの刺身がこんなに旨いとは知らなかった。醤油皿にうっすら脂が広がる身を舌に運ぶと、柔らかくとろけて甘い。トロとブリを混ぜ合わせたかのよう。塩焼きは上さんの大好物。一口食べて「やっぱり全部ガメる」と、「大きいから一本ぐらい裾分けしようかな」の前言をあっさり撤回。荒海への釣行だったがその甲斐があった。疲労困憊で酒も進み、龍馬伝の8時を待てずにバタンキュー。

「前は1枚しか釣れんかったから、いっつも6枚釣れたとこにしぃ、カレイ(魚種別釣果-ヒラメ)」と上さん。「ヒラメだろ、…」と訂正しつつ、左も右も平べったい顔してるからいつも間違えるんだ、は危うく飲み込む。リベンジしたいし強風に強い大型船の鹿島にするつもりだったが、こういう何げない会話にツキがあるかも、と外川へ。釣り人2名なので小型の21号船を大船長が操船(船長は人気の沖メバル)。右舷ミヨシ。いつもの河口沖へは向かわず、屏風ヶ浦沖で西の強風を避ける。うねりの中、一流し目早速の前あたり。が喰い込まずアワせる前にバラす。三流しして喰いが渋いとみたのか、船長が「仕掛け代えっからトモに来なよ」と、左右トモに二人を並ばせる。

ビシマ漁具とでも言えば良いのか、ごつい疑似バリに太いリーダー、ゴツゴツと錘をつけた太い道糸の自作仕掛けを二組流し入れる。「これ持ってて、重くなっから」と道糸を握らせ船を走らせる。ヒラメが追いつかないだろうと思う相当な速度。「寒いー」と叫ぶ相乗り氏にすぐヒット、船長がすっ飛んできて手繰って見せる。後方水面で暴れるのはでかいサバかと思いきや、取り込まれたのはサワラ。再び走行するとまもなく手元にゴツゴツ、ズシン。「あたったよー」と叫ぶが船長には聞こえない。手釣りは初めてだが、雑誌で読んだイナダ手釣りのイメージで手繰り寄せる。ダイレクトに手に伝わる引きにワクワク。豪快にぶっこ抜くと、鋭い歯で威嚇しながら暴れる船上のサワラ。こりゃあ面白い!「来ねーかぁ?」と様子を見に来た船長に、「釣れましたよ」と見せる。「手繰ったのけ、うめーうめー」と持ち上げる。左右でポンポンとサワラ漁を楽しむ。30分ほどしてか「3本ずつ獲れたけぇ、釣りすっかぁ」と船長。まずお土産を持たせてくれたらしい、ありがとう。

ミヨシに戻って竿を出すがあたりなく、サワラ漁を満喫した後ではいかにももどかしい。トモ氏がバラしたらしく「アタリあったよー」と叫ぶ。と、ゴツゴツ竿先が揺れる。ジリジリしながら引き込みを待ってヒット。ソゲながら狙いの一尾、嬉しい。その後も相変わらず風波強いが、釣りはまったりムードに。後半、一気に引き込まれ巻上げ中のフケにバラしたかと思ったのはサワラ。歯で切られずに取り込めるのは珍しいという。そのトモ氏はポツリポツリとヒラメ3枚釣り上げた。終盤何とかヒラメをもう一枚と底のトレースに集中。とゴソゴソモゾモゾ。充分に引き付けてアワせたのは、サイズアップのヒラメ。満足げな表情に、タモ入れした船長も頃合いや良しと思ったのだろう「揚がるっぺ」。

型は小さいが悪状況下の本命ヒラメ二枚に納得。予期せぬ船長の計らいに大満足。鹿島の大型船ではまずできないだろう。単に相性が良いのか、往復5時間半かけるからなのか、外川の三浦丸では外れがない。「サワラ獲ったどー」の釣果速報メールに喜んだのか珍しく良い日本酒まで用意した上さん。たまには私の言うこと聞いて良かったでしょ、とサワラを頬張り嬉しそうに笑う目が語っている…

BJSミヨシ 40-255+B
ABU3000アンバサダー PE3号
幹糸10号1m 枝ス8号80cm 捨糸6号50cm
錘60号 発光丸→キラキラ六角
水中ライト 試用もすぐ壊れる 前アタリはあったが効果不明

2010年2月6日土曜日

ようやく休暇を取り戻せそうなのに…

久しぶりに週末丸2日の休み。承認済み・緊急招集でオジャンになった年次を取り戻して月曜も休みにして3連休。とはいっても火曜朝の会議に備えてプレゼン作る必要がある…。土曜は所用を片づけ、日曜にヒラメ狙いで鹿島か外川、月曜に仕事、と目論む。ところが、風予報が悪い。土曜・日曜と10mを超す強風になりそうだ。湾口、相模湾、房総とも。船は出るだろうがあまりロクなことにならないだろう。釣行は月曜のほうが良さそうだ、翌火曜がつらいが。土日のうちに所用・仕事を片付けろということか。