2010年2月13日土曜日

沖釣りを楽しむ -受付・乗船編-

沖釣り(船釣り)が初めてならびに慣れない時には、釣り方にもまして家を出てから帰るまでのプロセスがわからなくて不安だった。釣り方の解説は書籍やWEBに数多いが、手続きや注意点に関しては、港や船宿によって異なることもあってかあまり見受けない。今でも初めての船宿では戸惑いや失敗もある。それらを踏まえて、おおよその流れと注意点を記しておこう、と思い立った。大きな流れは、準備・出発~受付・乗船~実釣~下船・帰宅だ。全てを楽しみたい。

<受付・乗船編>

1)釣り座: まず席を取ろう
船宿に着いて駐車すると、まず釣り座を確保。予約時に釣り座を決める船宿もあるが少数派で、多くは先着順。確保方法は概ね二通り。
  • 釣り座にクーラーボックスを置く: 船に乗り込み好きな釣り座に。特に冬場、凍結等で転倒・落水しないよう注意。この危険を避けるため、乗船口の前にクーラーボックスを並べる決まりの船宿も。
  • 座席タグを取る: 船宿の内外の壁に掛けた船形で釣り座番号を示したボードから好きな釣り座タグを取る。座席表に名前を書き込む船宿も。
いずれの場合も、釣り人人数が確定した時点で各舷で均等間隔になるよう前後に移動するので、実際の釣り座は確保した番号と異なることが多い(四隅を除く)。大抵トモやミヨシから埋まっていくが、間を空けようと考えても無意味で、好みの釣り座に近い場所を間を空けずに確保したほうがよい。希望の釣り座を確保するのは、前泊しない限りかなり難しい。

2.乗船準備: 貴重品は忘れずに
釣り座を確保したら車に戻る。受付開始時間までたっぷり時間がある場合は車中で仮眠。あまり時間がないかすでに受付している場合は、急ぎ乗船準備を。具体的には、
  • マリンスーツや防水上下服の着用
  • 長靴やサンダルへの履き替え
  • (持っていれば)ライフジャケットの着用
  • 竿にリールの装着
  • (持っていれば)タックルバッグを含め、船への持ち込み品一式を降車
  • 酔い止めの服用: 前夜の服用に加えて、乗船1時間~30分前に服用すれば、船酔いすることはまずない。
程度のことだが、慣れないと意外に手間取る。このとき注意したいのが、財布や携帯電話等の貴重品。乗船してしまえば使うことが少ないので車中に置いておきたくなるが、車上荒らしのリスクがないわけではないので、身につけておいたほうがよい。残念なことに某有名港の大駐車場で連続車上荒らし事件もあった。

3.受付: 乗船表は必ず記入し、ライフジャケットは必ず着用
乗船準備が整えば受付を済ませる。具体的には
  • 乗船料の支払: 釣り座タグと割引券を渡して乗船料と駐車料ならびにレンタルタックル料を支払う。コマセやつけエサ代が乗船料に含まれていない場合、それも支払うので購入する量をあらかじめ決めておく。
  • 乗船表の記入: 住所・氏名等を記入。万一遭難時に連絡するためのものなので正確に。この表に基づき割引や粗品引換ハガキを送る船宿も多いので尚更。
  • 仕掛けの購入: 船上でも買えるが、あらかじめ準備していない場合はこの時購入しておく。市販品・自作品を持ち込む場合も、船宿推奨仕掛けは実績に裏付けられているので1組は購入がお勧め。
  • ライフジャケットの借受: 遊漁船乗船者はライフジャケット着用が法律で義務付けられているが、普及度は高くない。船宿はジャケットを常備しており無料で貸しだしてくれる。ジャケットありますかと多くは聞いてくれるが、そうでなくとも申し出て必ず着用しよう。
  • タックル・氷の受取: レンタルタックルや氷を受け取る。乗船してから渡す船宿もある。
で手続きは終わり。時間にして5分もかからないのだが、要領を知らないと船と受付所を行ったり来たりすることになりかねないので理解しておきたい。なお、乗船前の受付がなく、料金を下船時に支払う船宿も、千葉県に見られる。

さて、いよいよ乗船だが、特に夏場は飲み物が充分か再確認しておきたい。大抵自動販売機があるので補充するならこのタイミングが最後。

4.乗船: まず同乗者に挨拶し、釣り座のセッティング
釣り座に着いたらまず左右の同乗者に挨拶しておきたい。「おはようございます。慣れないので迷惑かけるかもしれませんがよろしくお願いします。」の一言を掛けるか掛けないかで、その後実釣中の快適さは大きく違ってくる。期待できる主な効果は、
  • 心理的転換: 多くの慣れた釣り人は慣れない人と隣り合うと、今日はツキがないなという第一感を抱く。オマツリによる時間ロスやタナ不一致による魚チラシ等マイナス面ばかりが予想されるからだ。挨拶されることで、程度は人にもよるが心理的には、嫌な人ではなさそうだ、迷惑な時にも話しやすくなった、困っていたら助けてあげよう、面倒見てあげよう、に転ずる。これが大きい。
  • オマツリのムードと解決: 混みあう船中ではオマツリは不可避。その時のムードが違ってくる。少なくとも険悪な雰囲気を回避できる。オマツリを大抵解いてくれる。
  • 釣り方の教授: 棚取りや誘い方などを教えてくれる。多くは気付いていても黙っているが、、わからないことを聞けば、大抵教えてくれる。中には聞かずとも教えるアドバイス好きな人も。
  • 仕掛けや特エサのもらい受け: 釣果があがらない場合に、見かねて釣れている仕掛けや特エサをくれることもありうる。
などがある。挨拶がないと、これらが期待できないばかりか、逆方向に作用して釣果とは無関係に不快な釣行に終わることもある。たまたま乗り合った人々ともお互いに気持ちいい一日にしたいものだ。挨拶が左右する。

乗船後何をして良いのかわからずぼんやりしがちだが、釣り座のセッティングを済ませたい。出港してしまうと航行中は波風で作業しずらく、釣り場に着けばすぐに実釣開始になるからだ。釣りものによってセッティング内容は千差万別だが、ここでは仕組みが複雑なコマセ釣りを例に基本事項を記しておく。
  • 借り物の釣り座配置: タル・ザル・貸しビシ・添え木等船で借りるものが前方に置いてあるので、釣り座に配置。釣り座付近のホースから流水していればタルに注水。
  • コマセや付けエサの受領: これも前方に置いてあるので、釣り座に配置。ただし、釣り座間隔を決めるために船長や中乗りが配置することも多く、その場合は指示に従うこと。冷凍のコマセや付けエサはザルに入れタルの海水に浸して解凍。
  • クーラーボックス、タックルバッグの配置: クーラーボックスは釣り座下の床に。釣り座は通路も兼ねているので人の移動の妨げにならないように。タックルバッグも同じ理由で座席に置かず、船室やデッキに置くほうが好ましいが、道具類の出し入れや貴重品もあるからか、釣り座上に配置していても不問なことが多い。
  • タックルや道具の配置: 道糸に天秤やビシ、クッションゴムを接続。ハリスは、航行中に風で手前マツリするので、釣り場到着まで付けないほうが無難。道糸の太さや錘の号数は釣り物によって標準が決められているので大きく逸脱しないように。船中で統一することでオマツリを避けるため。竿掛けは、釣り座間隔の確定を船長に確認してから取り付け。竿尻ロープを竿掛けか船のフックやホールに接続。出港までは竿掛けにかけずにタックルを立てておく、舫等に引っ掛けて破損を回避するため。ハサミや針はずし等の道具類を釣り座前の内棚に配置。
  • ゴミ入れの設置: レジ袋を竿掛けに縛ってゴミ入れにすると便利。使えなくなった仕掛けや飲み物・食べ物のゴミあるいはタバコなどを入れる。海にポイ捨ては厳禁。
他の釣り物では使わないものがあるので、これよりかなりシンプルになる。

これで準備は万全。船が岸から離れたとき、船側の緩衝材が近くにあれば船内に取り込もう。出港時はいつもわくわくする。いよいよ実釣だ。

準備・出発編に戻る  実釣編へ進む  下船・帰宅編へ進む

0 件のコメント:

コメントを投稿